PS4ソフト「METAL MAX Xeno ~滅ぼされる者たち~」をエンディングまでクリアしてみての評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主観的に。

シリーズ過去作は、3DS「メタルマックス4 月光のディーヴァ」のみプレイしたことがあります。



まずは評価から。
ジャンルはRPGです。

シナリオに中身がありません。
こういう世界観なんだなと認識して終わり、それくらい軽くしか触れられていませんでした。
何が解決したわけでもなく、諸悪の根源も倒していない。
注意書きしておくと、引継ぎ2周目要素があり、ぼくは2周目をプレイしていません。
そのため2周目でこれらを解決しているかどうかは不明です。
ただ引継ぎ時、ストーリーを割愛するかどうかの選択もできたため、追加要素はなさそうと踏んでいます(他サイトの攻略情報を確認した限りでもなさそうでした)。
どちらにせよ、エンディングまでプレイしてほとんど何もわからず解決せずなのはいただけない。

荒廃したTOKIO、人類滅亡寸前の世界。
大都会の建物たちが砂の中に埋もれてしまっているのですが、そのためにどこに行ってもほとんど同じ景色です。
外だけならともかく、ダンジョン内部まで見た目はほとんど違いがない。
探索していて楽しさがありません。

各キャラのセリフも微妙。
主人公なんてまったくキャラが固まっていません。
他のキャラでは、ところどころに出てくる性的なワードが気になる。
人類滅亡の危機なので種を残すという話になるということ自体は必然性があって良いですし、直接的なワードを使うこともそれ自体が悪いわけではありませんが、不必要な場面でもそのワードを連発しているのがダメ。
必然性で言えば、畑もないのに食べ物はこれからどうするのか(今は保存食でもいずれ尽きるだろうし)、などといった話は一切出てこなかったのに、性の話ばかり。
下ネタを適当に出しておけばプレイヤーには喜ばれるだろうと思っているのかと、すごく不快になりました。
(※個人的に性的描写が苦手なわけではありません。お色気や性的描写を理由にCEROレーティングD以上になっているゲームなどは何の抵抗もなくプレイしています。)


シナリオや世界観を楽しもうというのは、ほとんどの方にとって無理な話ではないかと。


戦闘システムは過去作と同じようなもので、十分に楽しめます。
凶悪のモンスターたちとは戦車などのクルマに乗って戦う。
クルマにはSPという、人間で言うところのHPみたいなのがある。
このSPを0にされた後に敵の攻撃を喰らうと、その攻撃特性や火力および確率で、クルマの各パーツを破壊されていきます。
武器を破壊されるとその武器での攻撃ができなくなり、エンジンを破壊されると戦闘後に動けなくなる。
また、シャシーを破壊された場合は、いくら武器やエンジンが無傷のままでも、その場でクルマから放り出されてしまう。
敵によってはクルマから外に出された時点でほぼ敗北確定なので、どうにかしてクルマを保ちながら戦わないといけません。

このクルマをカスタマイズしていくのが楽しい。
エンジンの馬力次第で積める武器の総積載量が変わるので、強い武器を入手してもエンジンが弱ければ装備できない(いえ、装備はできるんですけど、総積載量を上回った時点でクルマがその場から動けなくなります)。
また、エンジンの良さはSPにも関係しており、武器を積むほどその重さに応じてSP最大値が減っていく。
なので強い武器だけを装備はできず、火力は弱いけど軽い武器も混ぜてみたり、何ならいくつかの枠には何も装備しないという手もあり。
強敵からのドロップなどで新しい武器やエンジンを入手するたび、こうやっていろいろと考えるのが面白いところです。


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少し残念だったのは、1周目ではクルマのカスタマイズの面白さを強く感じさせてくれるような強敵がほとんどいなかったことです。
WANTEDに設定されているモンスターたちがいるのですが、シナリオで戦闘必須のものはほとんどが弱い。
任意のものでも強敵はぽつりぽつりといった感じ。
2周目以降では難易度を上げたり新たなWANTEDが追加されるので、戦闘をより楽しみたい方は周回必須となります。

もう一つ気になったのは、メタルマックス4のときも感じたのですが、シリーズ初めての方にとってはシステムが難解なのでもう少し詳細なチュートリアルを用意した方が良いのではないかという点。
まったくないわけではありませんが、少々雑でした。

他にも拠点のバーでお酒を飲んだら冒険のヒントを一つ教えてもらえたりするのですが、メニューのヘルプから見られたら良いのにとか。
お酒を飲んだときは世界観や過去話が話されることもあり、セリフは最初の数回以外はランダムのようで、欲しい情報が聞けるかどうかもわからず延々と酒を飲み続けてイライラを積もらせていく人が出てきそうだなと。


フィールドですが、ほぼワールドマップはシンボルエンカウント、ダンジョン内ではランダムエンカウントとなっています。
シンボルエンカウントと言っても敵シンボル自体はランダムで突然出現し、出てきたシンボルに近付くか先制攻撃を仕掛けるかすると戦闘開始という形。
敵シンボルが出たら、射撃モードを開き、攻撃に使う武器を選択して発射します。
クルマの各武器には弾数があり、拠点に帰らないと回復しません。
そのため、敵の弱点を確実に突くか、弾数が多かったり、低火力(または超重量)な代わりに弾数無限になっている武器を装備しておくかなど、考える楽しさがある。
雑魚なら弾数の多い低火力武器での先制攻撃だけでも倒せることが結構あり、探索は快適に進みました。
前述したように景色が代わり映えしない点がなければ、隅々までフィールドを探索することも面白い要素になっていただろうと考えると、残念です。



ここからは感想。
10点満点で点数を付けるなら0。
(人を選ぶと感じたゲームのうち自分には合わなかったゲームは1、普通に面白くないゲームには0を付けます。面白くない方向にも5段階くらいあるので、実質-5~10点の間で付けた点数だとお考えください。)

マイナス方向に点を付けるなら、-1といったところ。

シナリオが…主人公のキャラが……セリフが………。
このあたりが、個人的な最低限のラインに到達していませんでした;;
シナリオは本当に何もないと感じたし、主人公のキャラやセリフの選択などは何という体たらくか、と。

戦闘システムは、メタルマックス4で好きになり、今作でもなかなか楽しめました。
ただ、景色に飽きてしまったので周回をする気も起こらず。
すなわち、エンディングまでの、ほとんど強敵がいないところまでしかプレイしていないので、戦闘の面白さは十二分に楽しめたというほどではありません。

最初から戦闘しか楽しむつもりがない(それも周回覚悟)という方以外は、残念ですが手に取らないことをお勧めします。



松山勝弘(まつやままさひろ)