PS Vitaソフト「真・三國無双 英傑伝」をクリアし終えての評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主観的に。

まずは評価。
発売前は、三國志の世界で趙雲を主人公にしたことを前面に押し出されていましたが。
趙雲である必然性は特にありませんでした。
それゆえ趙雲の格好良さなどが際立つといったこともなく。
「趙雲好きなら買うべき」という理屈が成り立ちません。

趙雲が主人公であることの是非を除いて。
シナリオは至って普通です。
基本は三國志の史実通りに話が進み。
ところどころに人智を超えた力が出て来る。
悪いとは思いませんが。
「熱くなる」「盛り上がる」ところが見当たらず、面白いとも決して言えません。
でもボリュームはそこそこあります。

戦闘システムは普通にシミュレーションゲーム。
雑魚兵の多さは見た目的に地味ですが、無双ならではとも取れます。
ただ、特に強敵戦で大事な「共鳴」というシステムがあるのですが。
ダメージボーナスを発生させるには○ボタンを連打しなくてはならず。
やりたくなければやらなくて良いし、設定でその画面が出ること自体を省くこともできるのですが。
実力が上の相手との戦闘ではダメージボーナスがないと厳しいこともしばしば。

連打が嫌ならフリーバトルでのレベル上げ必須。
これはこれで時間がかかりますよね。
もしくは、ステージごとに難易度選択ができるので。
面倒なら楽な難易度を選んでも良いですが。
シナリオに盛り上がりがない以上、戦闘に楽しさを見出さなくてはならず。
この難易度を下げるのはあまりお勧めできません。


(↑画像クリックでAmazonのレビューも確認できます)

「天絆鏡」というシステムで、条件を満たすと各武将ごとのサイドストーリーが見られます。
また、メインシナリオ中に仲間にならない武将を仲間にすることも可能。
これでしか仲間にできない武将がほとんどです。
蜀以外の、魏や呉の武将たちも仲間にでき、好きな武将で戦うことも可能ですが。
ステージごとに出陣が固定されているキャラも時々いるので。
全出陣キャラを自由に選択することはできません。

ちなみに、やり込み要素と言えるのはこの「天絆鏡」で全サイドストーリーを見ることくらいです。
クリアデータをセーブすると周回に入るので。
2周目以降は「天絆鏡」のコンプリートを目指す形になるかと。


ここからは感想。
10点満点で点数を付けるなら0。
(人を選ぶと感じたゲームのうち自分には合わなかったゲームは1、普通に面白くないゲームには0を付けます。面白くない方向にも5段階くらいあるので、実質-5~10点の間で付けた点数だとお考えください。)

マイナス方向に点を付けるなら、-1 です。
「ここが面白い」と感じるところが本当に一つもなかったので;;
「悪くはない」だけだと必然的にこの点数になってしまいます。

シナリオはさておきシミュレーション戦闘だけを楽しむにしても。
他に面白いゲームはいくらでもありますし。
毎回の戦闘ごと、場合によっては一回の戦闘で5回以上も連打しないといけないのは疲れます。

いや、シミュレーション戦闘の方は連打を除きまともなので。
逆にシナリオさえもう少し良ければ連打の分は帳消しになる、とも考えられますね。
せめてクライマックスだけでも盛り上がってくれればなと。

悪くはないけど、他に良いゲームがあるのにわざわざ買う必要もない。
といった一作でした。
「どうしても三國無双でシミュレーションゲーム、その作りが気になる」という方など以外には、お勧めはしません。

真・三國無双 英傑伝
コーエーテクモゲームス
2016-08-03

松山勝弘(まつやままさひろ)