Nintendo Switchソフト「ファイアーエムブレム 風花雪月」を、マルチシナリオの全ルートクリアまでプレイしてみての評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主体的に。


まずは評価からですが、FEシリーズ初プレイなため過去作との比較はできません。
ジャンルはSRPGですね。

士官学院の教師として生徒たちを教え導く第一部と、大陸全土を巻き込む戦乱を描く第二部との二部構成シナリオ。
かつ、第一部でどの学級を受け持ったかなどによってその後の物語の内容が大きく変化するマルチシナリオでもありました。


物語の進行は、各月ごとに提示されるカレンダーに沿って進められます。
週の初めは生徒たちを教育する授業日。
個別指導で選んだ生徒に任意の技能を教え込んだり、毎週行われるグループ課題を設定して、特定の技能経験値とともにお金や素材を手に入れてもらうことができる。

週の終わり、休日は自由行動日。
最も基本的な「散策」を選ぶと、学院内を自由に動き回れます。
主人公の指導レベルに応じて散策行動力という数値が定められ、一回の散策中この数値分だけ各施設を利用可能です。
生徒たちのやる気を上げる施設(やる気が高いと授業の個別指導で役立つ)や、主人公の技能を鍛えられる研修、優勝すると賞品がもらえる武闘大会など。
行動力を消費せずに使える、釣りや温室栽培といった要素もあります。
これらの行動に応じて主人公の指導経験値が溜まっていくので、散策をどう活用するかが自由行動日では最も重要な部分となるでしょう。
また散策では、自分が受け持つ学級の生徒たちだけでなく、他の学級の生徒や教師などとも、会話や交流を通じて親交を深めることができる。
彼らを自分の学級にスカウトすることも可能で、自学級の生徒らと集中的に交流するか、それ以外の人物たちと積極的に交流するかもまた悩ましいところ。

自由行動日は散策以外にも、「出撃」「講習」「休養」という選択肢があります。
1回の自由行動日では、散策とこれらのうちいずれか1つのみを選択できるという形です。

「出撃」は、いわゆるフリー戦闘。
いくつか提示されている戦闘の中からやりたい戦闘を選んで挑むというものです。
一度の戦闘ごとに出撃行動力(散策のそれと同じく最大値は指導レベル次第)を1つ消費するのですが、それでもシナリオ戦闘前のレベル上げとしては十分でした。
難易度ノーマルでは出撃行動力を消費せずに挑めるフリー戦闘も存在します。
散策中に受けたクエストの中に討伐クエストがあればそれも出撃でクリアする必要があったり、各キャラごとのサブエピソードを描く「外伝」という戦闘もあり。

「講習」では、主人公またはその他教師に講師をしてもらうことで、その人物が得意としている技能を生徒たちに教えられる(講師が主人公ではない場合、主人公が講習を受ける立場になることも)。

最後に「休養」ですが、これは仲間全員のやる気を最大値の半分だけ回復させられるものです。
物語終盤などはささっと進行させるのに便利でした。


と、ここまではシステムなどの説明ばかりになってしまいましたが、ここで評価をまとめて挟んでいきます。
まずシナリオ内容を単体で見ると、特に戦乱の幕開けからはすごく重々しいものとなっていました。
物語として大まかに捉えた場合、かなり王道なもので、内容自体にはそれほど目新しさはありません。
その代わり、愚かさ、悲惨さ、壮絶さ、憎さ、辛さ、逆に正当性だったり、戦争以外の道はなかったのかなど、様々なことを考えさせられる。
これほど考えさせられるということはすなわち、丁寧でしっかりとした作りになっていたということです。

またその他にも、マルチシナリオというものを非常に上手く扱っていたように思います。
というのが、ルート分岐後のシナリオ内容を個別に見てもよくまとまっていて面白いのですが、それぞれで解明される謎が違っていました。
2周目、3周目と周回プレイを重ねるごとに、世界の裏側や真実が知れる。
そのうえで共通ルートや分岐後のシナリオを見ると、また違った見え方がしてきてすごく楽しいです。
自由行動日の散策中に生徒や教師、モブキャラなどと話すだけでも、これはある種の伏線になっていたんだなどという新たな発見もたくさんあります。

ただもちろん、こういった仕様であるからこその難点も存在しました。
例えば、とあるルートでは黒幕のような者たちについて何も解明されなかったりするので、1周目にこのルートで進んでしまった場合は、エンディングを迎えてももやっとした気持ちになるでしょう。
1周目のクリアにかかる時間は、やり込み好きや丁寧な人だと100時間を超えることもある。
そのため、それだけ時間をかけたのに知りたいことが知れなかったという事態になりかねない点は、なかなかの爆弾ではないかと。
周回で前回とは違うルートに分岐したけど、この部分は1周目じゃないと驚きがない、といった場面もいくつもある。
他にも、共通ルート部分が短くないため、同じところを何度もプレイする面倒さが出るかもしれません。
周回時の面倒さは特に戦闘では顕著だと思いますが…そうですね、次はその戦闘に関して書いていきます。


まず基本的な戦闘システムですが、概ね通常のSRPGと同ようなものです。
プレイヤーフェイズで自軍のユニットを全員一回ずつ行動させることができ、各ユニットの移動力に応じて自由に移動させられる。
敵軍のユニットが攻撃範囲内にいたらそこから攻撃可能。
ただし、攻撃した敵には反撃されてしまうため、残りHPによっては攻撃せずに待機させたり、消費アイテムなどで回復する必要もあります(敵の攻撃射程が短いなら、遠距離攻撃をすることで反撃されずに一方的にダメージを与えることも可能)。
プレイヤーフェイズが終わったらエネミーフェイズに移り、戦闘によっては第三勢力が存在してエネミーフェイズの後に彼らが行動する。
そしてすべての勢力のフェイズが終わればターン終了、次のターンに変わって再びプレイヤーフェイズです。
ステージごとにギミックがあり、鍵がないと開かない宝箱や扉、乗っていると回復する床や、回避率が上がるといった各種地形効果、超遠距離まで攻撃できる「弓砲台」などの各種兵器…、ユニット個々の強さだけでなくこれらギミックを意識した戦いは、なかなかに戦略性の高いものでした。

難易度はノーマルとハードの二つで、SRPGに慣れていない方だとノーマルでも手こずりそうなほどには歯応えがある(それ故にノーマルではフリー戦闘でレベル上げをしまくれる仕様なのでしょう)。
さらにカジュアルモードとクラシックモードという二つのモードがあり、クラシックモードでは戦闘不能に陥った者はそのまま戦死してしまいます。
難易度ハードでクラシックモードだと相当難しいですが、誰も戦闘不能にならないようにと試行錯誤するのがすごく楽しくもありました。
ちなみに、一回の戦闘での使用回数に上限はありますが、戦闘中に時を巻き戻すことも可能です。
一手前から戦闘開始時点まで細かく自由に戻せるため、これを駆使した戦い方も面白味の一つとなっています。

武器ごとに耐久力があるのは、他のゲームではあまり見たことがありませんね。
攻撃や反撃するたびに耐久が減っていき、ゼロになると威力が落ちるほか、回避しにくくなったり武器が重くなる。
それぞれのユニットには攻速という値があり、この差が4以上ある者同士が戦うと、高い方が二回攻撃できるという仕様があります(基本は、仕掛けた側の攻撃→受けた側の攻撃→攻速が4以上高い方の追撃という順)。
武器が重いと攻速が低くなってしまうため、そもそもの武器選びで威力を重視するか重さを考慮するかといった選択肢もあり、戦闘中に耐久も意識して武器を入れ替えながら戦う必要も出てくる。
一人に複数の武器を持たせておいたり、修理して耐久を予め回復させておいたりと、事前準備にも気を抜けません。

ステージの種類・数は、豊富とは言い切れませんが、どちらかと言えば多い方かと。
一つ一つの戦闘が濃密なので、豊富だと感じる方も結構いそうです。
シナリオ戦闘ではほとんど毎回違ったステージが用意されているので、最後まで飽きることなくずっと楽しめました。

が、周回となれば話は別!
一戦一戦が短くない、下手すると長引くのに、少なくとも共通ルート部分は周回するたびに同じ戦闘を繰り返すことになる。
ルート分岐後でも、別のルートとほぼ同じような戦闘というものが少なくない数ありました(シナリオ内容は全然違いますが)。
せめてルート分岐後だけでも違った戦闘をもっとたくさん用意しておいて欲しかったところですね。


一応、設定で戦闘モーションやAIをスキップさせるようにして、プレイヤーフェイズで「おまかせ」を選べば、結構早くターンを終了させられます。
そこそこ賢い動きをしてくれるので結構助かりますが、それでも難易度ハード&クラシックモードだと戦闘不能者が出ることもある。
難易度は、ハードからノーマルに下げることはできるけど逆は不可能で、モードはどっちからでも変更不能。
なので、別ルートで分岐後の戦闘はハード&クラシックで楽しみたいという方などは、共通ルートでも「おまかせ」での時間短縮があまり使えません。
多少は有効ですが、戦闘不能者が出たときに時をどこまで巻き戻すかを考える手間もなどあるので。

それと、このゲームは戦闘中でも様々なセリフが出てきます。
特殊な建物があるステージではそこに縁のある人物を近くまで移動させるとセリフが出たりもありますが、特には敵に固有名ユニットが出てきた場合のこと。
主人公、他の多くのキャラ、特定のキャラ、誰を戦わせるかなどによって、そのときに表示されるセリフ(掛け合い)が変化する。
まだまだ他にも細かい条件でセリフが変わったり、特定の味方同士で会話できる戦闘ステージもあり(会話する場合はその味方を隣同士のマスに付ける必要がある)、他の学級の生徒などをスカウトする・しないことによる変化を楽しみたいこともあるでしょう。
これ自体は、よく作り込んだものだと称賛すべき部分であり、プレイヤーが楽しめる要素の一つです。
しかし、そのために「おまかせ」ショートカットがさらに使いづらくなってしまうというデメリットも生じています。
だからこそ余計に、せめてルート分岐後だけでも違った戦闘を多く用意しておいて欲しかったと感じました。


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次は、キャラ育成に関して。
戦闘で経験値を得てレベルが上がるほか、前述したように授業や講習で「技能」のレベルを上げていくこともキャラの育成にあたります。
技能レベルが上がると単純にスキルを習得できるというのが一つ。
武器ごとの必殺技や、セットしているだけで効果のあるパッシブスキルもありました。
それと、キャラが一定のレベルに達すると、現在より上級の兵種にクラスチェンジができるようになるのですが、そのとき資格試験を受ける必要があります。
兵種ごとに求められる技能があり、この資格試験の合格率に、求められている技能のレベルが関連していました。
中級ではこの兵種にしたいけど、最終的になりたい兵種とは求められる技能が違うから…などと考えながら育成していくのは楽しめる要素です。
騎馬や飛行といった乗り物付きの兵種だと、移動力が高いうえ攻撃後に再移動できたりもする。
ただ徒歩でも火力や耐久力が高いユニットもいたりしますし、各キャラごとに似合う兵種にしようかあえて似合わない兵種にしようかなど、いろいろと楽しめます。

不満点は、最上級職になるために求められている技能のバランスが悪いこと。
例えば、ほとんどの兵種で槍術の技能を求められ、実際の戦闘では武器は弓でのみ戦うから槍術のスキルは要らないのに、クラスチェンジのためには技能レベルを上げる必要があるなど。
他にも、剣が得意な物理アタッカーなのに高い剣術が必要とされる最上級職が全然ない、あっても魔法との両刀型兵種のみといったことも(戦闘用に剣術を中心に育てたいのに、それだと最上級職の合格率がほとんど上がらないから、別の技能を育て「させられる」ということ)。
このあたりの、最上級職の種類や必要技能のバランスは、はっきりと悪いです。


後は、支援会話やキャラへの愛着に関しても少し。
主人公と他のキャラたち、または他のキャラ同士、親交を深めることで支援値を溜めると、支援レベルが上がります。
支援レベルが上がるときに支援会話イベントが発生する。
この内容がかなり凝られており、各キャラの背景や特徴がよくわかるうえ、それでなくともすごく楽しいです。
自分が受け持つ学級の生徒たちとの支援会話は他のキャラたちよりも多く見られるということも含めて、自学級の生徒たちには特にすごく愛着が湧きます。

ただ気になるのは、異性キャラ同士は、どのキャラたちもすべて恋愛的な流れに発展してしまうことです。
いえもちろん、主人公にプレイヤー自身を投影しているから、お気に入りのキャラなのに他のキャラと恋愛に発展している様子なんて見たくないという人にとっても気になるところですが、それだけでなく。
単純に、無理やりすぎるものがたくさんあるのがダメですね。
ほとんど全員が全員恋愛に発展しているのですが、その過程が不自然なものがたくさんある。
それもそのはず、恋愛とは無縁そうなキャラや、まったく似合わないキャラ同士も恋愛の流れにしているのですから。
何でここまでの話の流れから突然恋愛感情のようなものが湧いているのかと、ツッコミたくなるものばかりでした。
幼なじみだとか、恋愛脳だとか、他にもお似合いのカップル同士だとか、必然性のあるキャラたちは存分に恋愛させたら良い。
そうでないキャラたちは友情や仲間同士の絆という範疇に止めておいた方が絶対に良かったでしょう。
終盤までは良い内容だったのに、最後の最後にある恋愛要素だけで台無しになってしまっているような支援会話もあるので;;

それでも、主人公との支援会話も含めて、やはり生徒や仲間たちへの愛着が湧くという事実は揺るぎません。
ただそのせいで辛いことも一つ…。
特に周回で感じることですが、好きなキャラと敵同士で相対したとき、そのキャラを自らの手で……。
1周目で受け持った学級の生徒でものすごく愛着が湧いているのに、2周目や3周目ではそのキャラを………。
ということもあり得ます。
それを避けるために好きなキャラは極力スカウトしてしまうという手もありますが、前述したように、敵で出たときと味方として出撃させたときとで戦闘中のセリフが変化したりもするので。
セリフの見比べなどを楽しみたいときは結局辛い思いもまたする必要が出たりと、精神的に大変でした。


最後に、細かい部分で気になったところを列挙していきます。

まずは持ち物、アイテム関連。
・ショップで、買おうとしているアイテムが手持ちにはいくつあるのかと表示してほしい
~1周目は特にお金がシビアなので必要個数以上のアイテムを買いたくないのですが、ショップ画面を閉じて手持ちを確認してまたショップ画面を開いて…と繰り返すのが面倒でした。

・アイテムが増えてくると管理が面倒
~通常のアイテムは所持数○○個とまとめて表示されますが、武器は耐久が違うだけで別枠に、消費アイテムも残り使用回数が異なると別枠になる。そのため、戦闘中に使う手持ちアイテムの入れ替えや、アイテム売却時に一苦労します。

・ドーピングアイテムは手持ちに加えないと使えない
~ドーピングアイテムは使いたいキャラの手持ちに加えないと使用できず、しかも1つずつしか使用できないため、すべて使い切るのにかなり時間がかかります。難易度ハード&クラシックモードではドーピングアイテムも結構重要になってくるため、周回で能力値がリセットされるたびにドーピングアイテムの使い直しをするのは相当疲れました。


続いて、ロードの待ち時間などに関して。
・長いロードが時々ある
~回数は多くないが、ゲーム起動時や月初めのイベントムービー後などに40秒近くのロードが入る。通常のロードは数秒程度と短め。

・頻出する選択肢や、他にも散策中などは特に、様々なことで思い通りの結果を出すためにリセットしたい案件が多いシステム。なのにメニューにセーブデータの「ロード」がない
~神経質なくらい思い通りの結果を出したい方に限っての話ですが、そういう方にとっては非常に苦痛ですね;;やり直すにはゲーム自体をリセットするほかなく、その場合は上記の通り、起動のたび40秒待機しなくてはなりません。


散策時、各地へのショートカット移動(ワープ)に関して。
・各地に直接ワープできるのはありがたいが、よく行く場所に近いワープポイントがないなど微妙に不便なところがある
~よく行く場所なのにその近くにワープポイントがないというパターンは数か所のみなので、他のと違ってすごく気になる点というわけではありません。

・ワープ直後(およびゲーム起動時など)、自動で開く扉がなかなか開いてくれないから、そこを通りたい場合はしばらく待つ必要がある
~どの扉も特に自動開閉である必要性が見受けられないので、最初から開けっぱなしでも良かったのではないかと。


その他。
・オンライン接続での世界観崩壊
~オンライン接続設定をオンにしていると、散策中に他プレイヤーの育成したキャラが留学生として現れるのですが、同じキャラが何人もいる様子はちょっと気持ち悪いですね。気にならない人ももちろんいるでしょうが。他にも、世界中のプレイヤーがこの日はどんな行動を取ったかの割合がパーセンテージで表示されたりなどは、自身の行動選択に影響されたくないと感じる人にとっては嫌な要素でしかありません。ならオンライン接続を常時オフにしていれば良いのですが、戦闘のときはオンにしているときの恩恵が大きいので、都度切り替えるのも結構面倒です。

・カメラの寄りが+ボタン、引きが-ボタン、これは分ける必要があったのか(同じボタンで良い)

・第二部や周回時などはカレンダー進行がだれてくる
~シナリオ戦闘は毎月1回が基本ですが、第二部は物語の内容的にも、ひと月に2回や3回と増やして、カレンダー進行を前に詰めていっても良かったのではないかと。



ここからは感想です。
10点満点で点数をつけるなら8。
(評価点ではなく感想点。目安として、8~10 完全にハマった、5~7 かなり楽しんだ、2~4 概ね楽しんだ、1 自分には合わなかった、0 面白くなかった、です。面白くなかった方向にも5段階ほどあり、実質 -5~10点間でつけた点数とお考えください。)

気になるところも結構書きましたが、それ以上に良いところが大きかった。
まずはマルチシナリオに関して、周回時に生徒やモブキャラたちと話すのはすごく楽しみました。
1周目ではスルーしていたようなセリフも、周回を重ねるごとに、想像以上に重要なセリフであることがわかったり。
目の前の事象に関して取ってつけたようなセリフだったわけではなく、数か月やもっと先の出来事に関しての伏線になっていたりなど。
こんなところから仕掛けていたのかという発見や、世界やシナリオ全体に対して理解が深まっていくのは本当に楽しかったです。

戦闘の方も、基本的には難しめが好きなので、歯応えがあってなかなか良かったですね。
周回時に同じ戦闘をするのは本当に面倒でしたけど;;笑
戦闘を丸ごとスキップして一律に経験値がもらえたり、難易度をノーマルからハードに上げられたりできると良かったのかなと。
ついでに、何なら難易度イージーがあっても良さそうです。
(アドベンチャーパート、イベントシーンやムービーはスキップできるので、周回で面倒に感じたのは概ね戦闘だけ。)

でも今作ではいろいろ考えさせられましたね。
いえ、争いがどうのというのもそうですが、ここではゲーム作りに関してです。
例えばマルチシナリオとか、細かい条件によって変わるセリフの多さだとか、支援会話だとか。
おそらく製作者がすごくこだわっているところだと思うのですが、こだわった分だけ面白くなっている反面、こだわりすぎて顕在化しているデメリットも存在する。
まさにあちらを立てればこちらが立たずで、ほぼすべての要素で面白いゲームというのは存在しないんだなと、当たり前のことなんですが、ものすごく実感させられます。

一応、評価・感想の記事で感想点を考えるときは、ダメなところ以上に良いところが際立っていれば高い点数をつけているんですけどね。
個人的な性格のためか点数のつけ方がかなり厳しめだと思っていますが、気になる点がありながらも10点満点を出しているゲームもありますし。
まあこんな点数はあくまでも一個人の感想に過ぎないのですが、それでもこんな記事を書いている以上は、各ゲームの良い部分と悪い部分のバランスはしっかりと見極めないとなと考えさせられました。
(念のため書いておくと、2点や3点がつけられていても、100点満点で言うところの50点超えくらいですから。少なからず楽しめる要素があったという感想であり、上記の「2~4点は概ね楽しんだ」という記載は言葉の通りです。)

と、誰に向けてかわからない唐突な言い訳を挟んでしまいましたが;;笑
本作はFEシリーズ初心者だったぼくでもハマれるほどの面白さでした。
シナリオは丁寧に作られているうえ王道だから内容も理解しやすいですし、王道ながらも盛り上げる工夫が欠けていないためしっかりと楽しめる。
戦闘が苦手な人でも、難易度ノーマル&カジュアルモードなら比較的スムーズに進めるでしょうし、困ったときでも「おまかせ」のAIが有能なのでありがたい。
ある意味では周回ありきなので面倒くさがりの人には向かない部分もありますが、周回で全ルートをクリアしていけば面倒さ以上に楽しめること請け合いです!
気になっている方はぜひぜひプレイしてみてください!



松山勝弘(まつやままさひろ)