Nintendo Switchソフト「ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~」を、全エンドクリアおよびエンディング後のいくつかの要素までクリアしてみての評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主体的に。


まずは評価から。

集めた素材を錬金術で組み合わせて、新たなアイテムを作り出す。
同じアイテムでも、使った素材や調合の仕方によって、その強さは天と地ほどの差になる。
作った消費アイテムや装備で、強い敵のいる採取地へ赴き、より良い素材を探し求める。
メインシナリオを進める傍ら、プレイヤーにとっては錬金術での調合と、シナリオ外の強敵との戦闘が主目的となりそうなRPGです。

今作は、アトリエシリーズのうち、アーランドシリーズの4作目。
アーランドシリーズ過去作とは同じ世界で時間も繋がっていますが、メインシナリオには重大な繋がりはなし。
そのため、アーランドシリーズ過去作をプレイしていなくとも問題ありません。
もちろんプレイしている方にとっては、過去作のキャラがいろんな形で登場したり、ちょっとしたエピソードが出てきたりと、より楽しめるようにできています。

過去作キャラの登場に関しては、シリーズ通してさすがにゲーム内の年数が結構経っているので、声変わりしたキャラなどはどうしても昔との違いに違和感を感じる方もいるかもしれません。
ですが、そのキャラらしさはしっかりと残っているように思います。
声優さんの声に関してどう感じるかは主観の部分が強いですが、セリフ回しがきちんと凝られているので、この点だけでもそのキャラらしさは十分に感じられるのではないかと。

アーランドシリーズ過去作をプレイしている身として若干の不満があるとすれば、今作の主人公の設定を考えると、絶対に登場してくれた方が良かったキャラが登場しなかったことです。
出てきてくれたら面白いイベントもたくさんできたろうになと。
アーランドシリーズ3作通してキャラ数がすごく多いので、ある程度は仕方ないですが…。
実際に、名前もエピソードも何もなしのキャラも、気付いただけでも何人もいましたし(その中にも個人的に好きなキャラがいたり)。
まあ制作側も取捨選択は難しかったでしょうから、あまり強く言える部分でもありませんね;;
それに、過去作キャラだけに頼らず、新キャラもしっかりと作り込んでいた(人数もそこそこ多い)点にはむしろ好感が持てますし。


シナリオに関して、まず、内容はすごくよくできています。
展開のさせ方も主人公のキャラにマッチしていて感情移入もしやすいため、元の内容の良さと相まってより一層に楽しめる。
ここだけはもう少し感動的な演出など工夫が欲しかったなという部分が一か所だけありましたが、その他は全体的にコミカルとシリアスのバランスなども良く、終始面白く感じられる内容でした。

進行は、第一章、第二章といった風に章ごとに区切られています。
その時々で、主人公の持つ古文書のような本を解読する必要がある。
特定のモンスターを倒す、アイテムを調合するなどの定められた条件をクリアすれば解読が進むという形です。
条件は、答を明記されているわけではなくヒントが書かれている。
ほぼ答なヒントもあれば、前後の文章をしっかりと読まないと難しいなど謎解きのようなものもありました。

解読するページ数ですが、物語の内容に沿っていて、多い章と少ない章とがはっきりと分かれています。
各章で解読ページ数を同じにしようと無意味に引き延ばしをすれば、進行のテンポが悪くなったりシナリオ内容もだらだらしているように感じるところ。
なので、ある章ではきっぱりと解読を少なくしていたことなどは、おかげでシナリオの面白さを崩すことなく保てたと言えます。

解読自体も楽しめる要素の一つです。
シナリオ進行上必須のもの以外にもたくさん存在し、簡単にクリアできるものから一筋縄ではいかないものまで様々。
これらを解読することで錬金術で作れるアイテムのレシピを習得したり、新たな採取地が出現したりもする。
シナリオ進行に時限はないので、解読をやり込みがてらに進めることもできますし、必須ではないためシナリオだけを最速で攻略したい方にとっても邪魔になりません。


解読のやり込みをすると戦闘がぬるくなってしまうかなと危惧していましたが、難易度HARDではなかなかの歯応えを感じられます。
さらにクリア後はHARDより上の難易度が2つ出現するので、調合でこだわりアイテムを作って強敵との戦闘で試してみたいという方にはすごく嬉しい。
逆に難易度を下げれば、誰でもエンディング到達できるほどの易しさもありました。

戦闘のシステムは、アトリエシリーズの直近過去作、不思議シリーズの3作目リディー&スールのアトリエに近いです。
まずその前に基本として、このゲームの戦闘は同一ターン制ではなく、行動ゲージにある顔アイコンが端っこに達した順に行動できます。
素早いキャラは連続で行動できることもありますし、逆に敵に連続行動される危険性も。
強力なスキルなどを使用したら概ね次の行動が遅くなりますし、相手の行動ゲージにある顔アイコンを後ろにずらすというノックバック効果を持ったスキルなどもある。
真っ先に考えるべきは、味方の行動を増やして敵の行動を減らすことです。

戦闘メンバーは前衛3人、後衛2人の計5人。
行動が回ってきてコマンド選択ができるのは前衛のみ。
後衛は、前衛の取った行動に応じてアシストスキルを発動させる。
前衛がスキル攻撃したら後衛もアシストスキルで攻撃して…と手数を増やせるものがあれば、前衛が状態異常にされたら即時に回復するもの、戦闘不能を蘇生するものなど、アシストスキルの種類もいろいろでした。

前衛3人は、その組み合わせに応じて「プライマルアーツ」というものを発動します。
フィールド効果のようなもので、例えば使用アイテムの威力が上がったり、特定キャラが戦闘不能になったら別のとあるキャラが即時行動できるようになったりなど面白いものも存在する。
後衛のアシストスキルを優先するか、前衛のプライマルアーツの組み合わせを優先するかなど、隊列を考えるだけでもすごく楽しい部分です。

他にも、錬金術士キャラだけが、「インタラプト」という特別な行動を行うことができます。
インタラプトに消費アイテムを装備しておき、戦闘中にインタラプトゲージが溜まったら、敵味方の誰の行動中だとかに関係なく、そのアイテムを即時使用することができるというもの。
非常用の回復アイテムにするも良し、火力の高い全体攻撃アイテムにしておくも良しです。
また、インタラプトを使えるキャラを増やすべく錬金術士だらけのパーティにしたくもありますし、前述したようにアシストスキルやプライマルアーツのこともある。
今作では有料DLCの追加キャラなしでも数人は控えになりますし、隊列編成は本当に悩ましくも楽しめる部分でした。


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次は、錬金術でのアイテム調合に関して。
材料はそれぞれ、赤、青、紫、黄の錬金成分を持っており、使った材料の持つ色の錬金成分だけ、調合するアイテムの効果ゲージが増えていく。
例えば、火属性の爆弾を作りたいとき、この爆弾には赤色の効果ゲージがあります。
このゲージを増やすほど、威力が小・中・大と上がっていくので、赤色の錬金成分を持った材料を使いたいところ。
ただ逆に、青色を増やすと調合に失敗してしまう。
錬金成分は最低で0、最大で5まであるので、青が0、赤が5の材料があれば最高ですね。
もちろんそんな都合の良いものはほとんどないので、通常は赤2・黄1(青0・紫0)などの材料を使うことになります。
効果ゲージは複数存在することもあり、この例なら、赤色で威力が上がるほかに紫色や黄色で状態異常付与やステータス下降の追加効果が出せるかもしれません。

材料には「特性」というものが付いていて、同じ種類のものでもまったく別の特性を持っています。
これを調合したアイテムに引き継げば、爆弾の威力をさらに上げたり、使用回数を増やしたりもできる。
なので、錬金成分だけでなくどの特性を持った材料を使うかも考慮しなくてはなりません。

と、基本のシステムはこんな感じです。
アトリエシリーズ初心者の方でも、概ね容易に理解できるものだと思われます。
ただ、新要素の「覚醒効果」だけ、結構わかりづらかった(ここでは説明すると長くなるので省きます)。
ゲーム内のチュートリアルでは、説明不足というわけではないのですが、文字だけですぐに理解できるものではありません。
これが「初めての調合」だと言わんばかりに、調合画面も出して丁寧なチュートリアルを設けた方が良いと思うほどにはわかりにくい。
うまく使えばより強力なアイテムを作るのに大いに役立ちますし、理解した後は調合もすごく楽しくなる要素なのですが、チュートリアルのやり方を少し工夫してほしかったところです。


その他で書いておきたいことをいくつか。
一つは採取地のフィールドのこと。
世界が同じなのでアーランドシリーズ過去作に登場した採取地がいくつもあります。
採取地に入ると、フィールドはコンパクトになっていましたが、各採取地ごとの特徴は掴んでいたので、過去作をプレイ済みの方にとっては十分に懐かしさを感じられる作りでした。

続いて、シナリオ進行のところで少し触れましたが、時限要素はありません。
ゲーム内に昼夜および日時の概念はありますが、夜にしか出ない敵や採れない素材、ある月にしか開催されないイベントなどがあるくらいです。
逃しても翌日の夜まで待てば良い、来年の同月まで待てば良い、と普通に対処できました。
シナリオ進行中の特定の選択肢だけ、事前にセーブしていないとすべての選択肢の結果は見られませんが(選択肢を選ぶ→リセット→別の選択肢を…ということ)。

エンディングは今作もマルチエンドでした。
各キャラのエンドは、そのキャラの特徴をよく捉えた面白いものではあります。
ただメインシナリオの内容を考えると、普通ならこのエンドに向かうことはないだろうなと思う内容ばかり…なので、アトリエシリーズ過去作と同じような感じですね笑
これまで同様、本命のエンドだけでなくネタのエンドも楽しめるといったところでしょう。
今作がアトリエシリーズ初めてという方は、しっくりこないかもしれません。

後は、カメラワークが悪い点。
アトリエシリーズは総じてカメラワークは良くありませんが、今作も同じような感じでした。
映像酔いしやすいタイプの人は、カメラに慣れるまでは少し辛いです。
移動時に自動でカメラが回転するのを設定でやめさせられませんし、障害物の裏側に回るとカメラが突然急激に寄るのも見ていて辛い。
カメラワークはすごく悪いわけというわけではないので、しばらくすれば慣れられはしますが、アトリエシリーズ通してそろそろ改善してほしい点ではありますね;;

それとすごく細かいことですが、ステータス画面での若干の不便さがありました。
あるキャラのステータスを見ているとき、LRボタンなどで別のキャラに切り替えることができないので、今見ているキャラの画面を一度閉じて別のキャラを選択するしかありません。
仲間キャラのイベント閲覧やキャラエンドのことがあるので、仲間キャラの現在の友好度を時々確認していたのですが、友好度を見たいだけなのに一回一回画面を閉じて開いてを繰り返さなくてはならないのがやや億劫でした。



ここからは感想。
10点満点で点数をつけるなら9。
(評価点ではなく感想点。目安として、8~10 完全にハマった、5~7 かなり楽しんだ、2~4 概ね楽しんだ、1 自分には合わなかった、0 面白くなかった、です。面白くなかった方向にも5段階ほどあり、実質 -5~10点間でつけた点数とお考えください。)

完結したと思っていたアーランドシリーズの4作目が出て、もうあのキャラたちとは会えないと思っていたのにその後の成長した姿が見られて、これだけでも感無量で満足度がグンと上がりました笑
評価では今作がアトリエシリーズ初めてでも問題ないとは書きましたが、やはりアーランドシリーズ過去3作をプレイしているかどうかで面白さが断然違ってくると思います。


調合の覚醒効果は、すごく頭を使う要素でした。
素材Aの覚醒効果を付けてアイテムBを作り、Bを材料にして最強爆弾Cを調合すれば、最強中の最強にできる…。
などと、うまく使えば強いアイテムを作りやすくなりますし、最終目的のアイテムを調合するまでの過程をいろいろと考えるのも楽しかったです。

頭を使う本格的な調合を活かせる敵が存在する、というのも嬉しいですね。
調合にかけた時間が無駄にならない・報われると、調合はより楽しくなります。
戦闘自体も個人的には難易度高めの方が好きですし。
ただ、クリア後のボスクラスの敵が少ない点は少し残念でした;;
今のところできる対策は、難易度を上げて周回をすることくらい。
それが終わったら、有料DLCで高難易度マップが追加されるようなので、こちらを楽しみに待つことにします。


キャライベントは、あった分はすべて楽しめましたが、あって欲しかったものがなかったことは少しだけ残念に思います(登場しなかったアーランドシリーズ過去作キャラの件)。
後は、キャラエンドはともかく、本命のエンドも内容が少し弱かったように感じました。

ぼくがアトリエシリーズを通して好きな調合や戦闘に関しては、今作も質が十分に高いです。
メインのシナリオ内容も面白かったし総合的には大満足でしたが、これらのネック、引っかかった部分がどうしても拭いきれなかったので、感想点は満点にはできませんでした。

とは言え、特にアーランドシリーズ3作をプレイ済みの方にとっては、すごく楽しめる作品に仕上がっていると思います。
アトリエシリーズ初めての方でもプレイしやすくできていたので、気になっている方はぜひともプレイしてみてください(今作をクリアした後にアーランド1~3をプレイするのもお勧めです)。

ルルアのアトリエ ~アーランドの錬金術士4~ オリジナルサウンドトラック
ゲーム・ミュージック
コーエーテクモゲームス
2019-03-20

松山勝弘(まつやままさひろ)