PS4ソフト「竜星のヴァルニール」を、全エンドでクリアおよびクリア後のダンジョンまでプレイしてみての評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主体的に。


まずは評価から。
ジャンルはRPGです。

シナリオ内容は、悪くはない、といったところ。
いえ、序盤から中盤にかけてはむしろ良かったんです。
暗く哀しい世界観には惹きつけられるものがあり、魔女という種族の悲惨な境遇も相まって、主人公たちの動向や話の展開からまったく目が離せないほどに。
それだけに、終盤の尻すぼみが残念でした。

おそらくエンド分岐で3つのルートに分かれていたことが一因だと思うのですが…。
と言うのが、本作でのエンド分岐はルートごとに最終章がまるまる別々の話になっており、それぞれのルートの話に矛盾を出さないようにか、その手前までがすごく無難に落ち着かせているような内容でした。
中盤までに少しずつ盛り上げてきた話をわざわざ落ち着かせているのですから、終盤で盛り上がりが足りなくなるのは当然ですね。
それぞれのエンドのオチは良かったのに、最後の盛り上がりが足りなかったせいで、面白さは半減。
例えばエンディングの、まさに結果のみが分岐するタイプのものか、いっそエンド分岐なしで完全に一つの物語に絞っていればもっと良いシナリオ内容になったのではないかと思うと、すごくもったいないです。


続いて戦闘に関して。
システムは特徴的で、とても面白いです。
戦闘フィールドは上層・中層・下層の3層にまたがっているほか、各層の平面にも縦横のマス目があり、立体的な戦闘が行われる。
スキルには、平面の範囲攻撃(3×3マスなど)や全階層貫通攻撃ができるもの、敵の配置を縦横にずらしたり別階層に上げ下げできるものなどが存在。
ほかにも1マスにトラップを仕掛けるものがあったりと、戦略的な戦い方ができます。

巨大なボスだと1体で2層や3層を支配しており、本体の層、部位の層と分かれているのも面白い。
本体と部位とでそれぞれにHPがあり、本体のHPを0にすれば勝利なのですが、各部位は強力なスキルを持っていることが多々ある。
そして部位HPを0にすることでそのスキルを封じられるので、先に部位を破壊するか、本体のみを全力で削るかなどを考えるのも楽しいです。

戦闘難易度もバランス良く、最後まで歯応えのある戦闘が楽しめました。


主人公たち魔女は、敵の竜を「捕食スキル」で捕食することによって、それぞれの竜に応じたスキルを習得することができます。
正確には、捕食した竜の「因子核」というものが手に入り、各竜の因子核ごとにスキルツリーが存在するので、それぞれに因子ポイント(戦闘勝利で獲得出来るスキルポイント)を割り振ってスキル習得するという形です。
スキルは、物理スキル、魔法スキル、捕食スキル、パッシブスキルの4つの項目でそれぞれ5つずつまでしかセットできない。
しかも各項目にコスト上限があり、戦略のほかにも役割やキャラの特徴に合わせてスキル構成を考えるのも楽しめる要素。
と、この仕組み自体は面白いのですが、実際にプレイしてみるといくつかの問題点が浮き彫りになりました。

まず、ボスは倒すだけで味方全員が因子核を入手でき、その他雑魚敵は捕食したキャラのみがその因子核を入手する。
キャラごとに捕食しないといけないのに、雑魚敵の種類が少なくないので、誰でどの竜を捕食したことがあるかを覚えていません。
あるキャラは同じ竜を何度も捕食してしまったり、そのせいでその竜を捕食したかったキャラが捕食できなかったりという問題も起こる。
その竜はこのキャラで捕食したことがあるかどうか、一目で判別できるように戦闘画面に表示してくれれば良かったのですが;;
もっと面倒くさかったのは、回避率がやたらと高いのにしばらくすると逃走する敵が少なくなかった点です。
そういう敵の存在自体は良いとして、数を減らしてほしい。

少し擁護すると、ボスの因子核はどれもなかなか優秀です。
1人だけ加入が遅いキャラがいるのですが、加入直後はボスの因子核のスキルしか習得できていないのに問題なく戦力として扱えるほどには。
それと、別の竜の因子核でも同じスキルを持っていることが多々あります。
なので特定のスキルを習得させたいからといって特定の竜のみを狙い続ける必要はほとんどない。
何も考えず適当に捕食しているだけでも、欲しいスキルのある因子核がいつの間にか手に入っていることも多々ありました(それがボスの因子核であったことも)。
といった具合に、捕食したことのある竜かどうかの判別ができないことは、ストーリークリアにもほとんど影響がありません。
ただ、全キャラですべての因子核を入手するというやり込みをしたい方やきっちりした性分の方にとっては辛いところでしょう。


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探索するダンジョンは、その多くがマップも狭く単純な構造。
世界観のためか見た目にあまり代わり映えしないのですが、各ダンジョンの探索にはそれほど時間がかからないため、飽きずに進めるかと思います。

ダンジョン探索で気になる点は、ギミックの解き方です。
いくつかあるギミックは、それぞれ対応するキャラのみが解けるというもの。
探索中、キャラは1人のみが表示され、L1ボタンで操作キャラを交代できる。
ギミックを解けるキャラと交代しながら探索を進めるという形です。
が、決まった順番でしか交代されていきません。
パーティは最終的に6人なので、場合によってはギミックを解けるキャラになるまでL1ボタンを5回押さなくてはならない。
間違えて通り過ぎてしまったらもう1周回さないといけません。
しかも、同じダンジョンで複数の種類のギミックがあることも多い。
毎回1周とはいかなくとも、何度も何度もキャラ交代させられるのはなかなか面倒でした。


その他の要素やシステムに関していくつか。
まず、イベントシーンや演出などはR2ボタンでスキップできるのですが、戦闘演出のスキップが同じR2ボタンのみとなっていました。
戦闘中は結構演出が入り、すべて見ているとボス戦では特に時間がかかるので毎回飛ばすことになる。
なのでOPTIONの設定変更で全戦闘演出を飛ばせるようにしてほしかった。
もしくは、そもそもの戦闘演出が多過ぎる点をどうにか。
せめて早送り機能が必要です。

もう一つは、「妹部屋」という施設に関して。
同じネグラに住む魔女の妹たちがいて、妹部屋では、彼女らに食べ物を与えることができます。
本作での魔女という種族は、その特定の食べ物を食べないと狂い、食べ過ぎても…という設定がある。
ここのゲージの増減バランスが悪いように感じました。
ダンジョン探索にかかった時間に応じて妹たちが餓えるので、探索には時間をかけられない。
これだけでも先ほど捕食スキルのところで書いたようなやり込みができなくなる。
全ダンジョンで全宝箱回収くらいは問題ありませんが、クエスト達成に必要なアイテムを入手するのに、もしそれがレア敵のドロップだったとしたら運次第では飛ばすほかなくなったりもします。
妹たちの状態はエンド分岐にも少なからず関わっているため、ゲージ管理が必要なエンドルートに進みたい場合だと、余計にやり込みながらの物語進行が困難になってしまう。
むやみに急かされているように感じさせられたのも良くありませんでした。



ここからは感想。
10点満点で点数をつけるなら4。
(評価点ではなく感想点。目安として、8~10 完全にハマった、5~7 かなり楽しんだ、2~4 概ね楽しんだ、1 自分には合わなかった、0 面白くなかった、です。面白くなかった方向にも5段階ほどあり、実質 -5~10点間でつけた点数とお考えください。)

中盤までは6か7で悩んでいたんですけどね;;
妹部屋が解禁されて以降急かされている気分になったことと、終盤シナリオの尻すぼみが残念です。

物語進行中の捕食スキルのやり込みができないのも痛い!
妹部屋が解禁されるまでは全キャラで全竜の因子核を入手していたこともあり、その先で半強制的にやりこみを封じられたのは泣きそうになりました…笑

ただ、世界観と戦闘システムは結構ツボでした。
特に戦闘システムは好きで、雑魚戦とボス戦とで違った戦いが楽しめるのも良かったです。
攻撃型にするか、補助型や回復型、はたまたバランス型にするかなど、パッシブスキルを含めてスキル構成を考えるのも楽しかった。
コストが高い代わりに強力なスキルを3つだけセットするか、コストの低いスキルも合わせてギリギリ5つまでセットするかなど、こういうパズルのような要素が好きなんですよ笑


やり込みが好きな方にはお勧めしにくいですが、例えば大作と大作の合間にプレイするサクッとクリアできるRPGをという方には十分にお勧めできる作品です。
シナリオもそこそこ楽しめますし、戦闘もなかなか面白いので。
暗くて哀しい世界観が苦手でなければ、一つ、プレイするゲームの候補としてご検討してみてはいかがでしょうか。

竜星のヴァルニール - PS4
コンパイルハート
2018-10-11


松山勝弘(まつやままさひろ)