Nintendo Switchソフト「オクトパストラベラー」を、メインストーリークリア後の要素もすべてやり込んでの評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主観的に。


まずは評価から。
ジャンルはRPGです。

ドット絵2D表示のようなグラフィックですが、注ぐ光や流れる水などはすごく綺麗で、昔ながらの雰囲気も感じられつつ現代のゲームとしても楽しめます。
この昔と今とをうまく融合させたようなグラフィックは見事の一言でした。


8人の主人公がいて、それぞれにメインストーリーがあります。
最初に主人公を1人選ぶのですが、ここで選んだ主人公以外のメインストーリーも、同一セーブデータ内で一字一句逃さずプレイ可能です。

メインストーリーは各キャラで章ごとに区切られていて、特定の町で1人のメインストーリーを章単位で進めていく形。
1章では、仲間が増えると敵も強くなったり複数の敵が同時出現したりします。
8人全員を仲間にして全員のメインストーリー1章をプレイするのに、後ろの方で仲間になったキャラほど楽勝すぎてつまらないということはありません。
気になるのは、仲間になるときにさらっとしすぎな点でしょうか。
プレイヤーによって最初の主人公は違いますし、8人もいるため多少は仕方のないことだとしても。
例えば義賊でも何でもない普通の盗賊が盗みに入ろうとしているところを、正義感の強いキャラが普通に助けに入ったりするような仲間のなりかたなのは、すごく違和感があります。
(その後は、一緒に旅をしていても特に不自然さはありませんでしたが。)

2章以降は前回までのあらすじがある。
そのため、8人のメインストーリーを、1人ずつ全員の1章を終わらせてから1人ずつ全員の2章を…と進んだ場合でも、どんな内容だっけとならずに済みます。
ただ、2章以降は敵の強さ(各メインストーリーのクリア推奨レベル)は固定のようでした。
つまり、あらすじがあるのはありがたいのですが、逆に敵の強さの都合上、通常は1人だけを一気に4章までクリアするといったプレイスタイルは難しいということ。
このあたりにもう少し自由度があっても良かったかもしれません。
例えば敵の強さは仲間全員の平均レベルに応じて変化するなど。
一応メインストーリーはメニュー項目「旅の記録」から回想できるので、後で1人ずつ通しで見ることもできるのですが…。

最初に選んだ主人公は戦闘メンバーから外せません。
このキャラに感情移入しやすいという利点もありますが、戦闘メンバーは4人までなので、他のキャラをバランス良く育てようとすると1人だけ強くなってしまいます。
外す方法がないわけではありませんが、少なくともメインストーリー進行中は不可能。
せめて物語中盤くらいには外せるようにしてほしかったなと。


メインストーリーの内容自体に関して。
個々の物語は長いものではありません(8人もいるので当然と言えば)。
ですが、短い話の中にも起承転結はしっかりあって、必要なセリフや演出も欠かさず入っているため、プレイヤーを十分に引きつける内容となっています。

8人それぞれ似通った話がなかったのも魅力の一つ。
暖かい話や優しい話もあれば、暗い話やかっこいい話もあり、ゲームタイトル通り8人それぞれの旅があったと思わせてくれる内容です。
それに、主人公8人それぞれに別の旅があったというだけでなく、プレイヤー一人一人に違う旅があったと思わせてくれるエンディングの演出がまた最高でした(みなさんがプレイしてみてからのお楽しみということで)。

誰かのメインストーリーを進行していると、「パーティチャット」というものが起きます(クリア後も、各町や村の酒場で特定の組み合わせにて発生する)。
仲間同士のちょっとした兼ね合いで、内容はすごく面白い。
パーティチャットが存在することは良かった点です。
ただ、パーティメンバーに入っていないキャラとのパーティチャットは起こらない模様;;
発生するタイミングと、誰とのパーティチャットかというのはどちらも固定と思われるので、すべて見たいならこまめにパーティ編成をし直さなくてはならない。
でもパーティ編成は酒場に行かないとできないので、物語を少し進めたら都度すぐ酒場まで移動して…を繰り返すのはさすがに苦痛です。
例えば、図鑑のように、まだ発生させていないパーティチャットを(発生タイミング含めて)確認できるものがあれば良かったのになと。
また、一度見逃したパーティチャットは発生させられない可能性が高そうなのが残念です…。


メインストーリー以外に、サブストーリーがあります。
ちょっとしたクエストのようなものもあれば、メインストーリーの内容を補完するもの、メインストーリーでは開かされなかった謎を解説・解決するものもありました。
短くともそれぞれにしっかりと内容があり、すべてのサブストーリーをクリアしたくなるほどの面白さです。

特に固有キャラのサブストーリーがなかなかのもの。
別々の主人公のメインストーリーで出てきた固有キャラたちが同時に登場することもあります。
確かに彼らの設定を考えると実は知り合いだったとしても何らおかしくないなと思えたり、裏で様々な繋がりがあったと知れるのは楽しいです。
もちろん会話を見ているだけでもすごく楽しめます。
本作をプレイされる方にはぜひ、サブストーリーもすべてクリアしてほしいところ(クリア後に追加されるものもあるため、やり込み要素の一つとして)。

ただし、若干数は多めです。
町や村で発生するサブストーリーはともかく、フィールドで発生するものも一部あり。
すべてをクリアする頃にはさすがに多少の疲れも出るかもしれません。


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戦闘システムはなかなか面白いです。
基本的には通常のコマンドバトル。
特定のボスなどを除いて、各ターンに敵味方全キャラが一度ずつ行動でき、行動順はそれぞれの素早さに影響される。
味方は毎ターンBPというものが一つずつ増え、これを消費して「ブースト」をかける(3段階までかけられる)と、通常攻撃の回数が増えたり与ダメージが上がる。
敵にはそれぞれいくつかの弱点があり、弱点属性で一度攻撃するたびに敵のブレイク値の数が一つずつ削れていき、これが0になるとブレイク状態になる。
ブレイクさせると敵は次のターン終了時まで行動不可になり、ダメージ量も増加。
ブレイクさせるのにBPを消費するか、ブレイク中に大ダメージを与えるために温存しておくかなど、状況に応じて使い分けなくてはならない。
特にボス戦では、敵は大技を持っていたり1ターンに複数回行動することもあるため、ブレイクとブーストの駆け引きはすごく楽しめます。

各キャラ固定の職業以外にもう一つ職業をセットすることができ、職業ごとに装備できる武器属性や習得できるアビリティが違う。
武器は複数装備できるので、装備可能な武器種が増えるように職業をセットするか、アビリティに注目してから決めるかなどを考えられます。
また、キャラによっては戦闘中に使用できる固有コマンドがある。
例えば魔物を捕獲したり捕獲した魔物に戦わせられるキャラ、町や村の人を連れて来て戦闘中に加勢させられるキャラなど。
職業含めて、どんなパーティ編成にしようかと考えるのも楽しいです。

戦闘で気になるのは、雑魚敵を倒すのにも多少の時間がかかること。
ブレイクなどが戦闘システムの要だからか、そこそこの実力差がないと瞬殺はできません。
一戦にかかる時間が短くない分、レベルは早く上がっていきますが…。
獲得経験値に対して見ると、エンカウント率も低くないように思います。
エンカウントしたすべての敵といちいち戦っていると、メインストーリーの各ラスボス戦も楽勝すぎる状態になってしまうほどには。
そのため歯応えのあるボス戦を楽しみたいなら、エンカウント率を下げる術を常備したり、都度逃げる必要がある。
ただ、逃げる方は、もし逃走失敗してしまうとそのターンに他の味方キャラは行動できなくなります。
つまりは逃走を試みることができるのは1ターンに1人のみなんですよね;;
と、少し細かいことかもしれませんが、エンカウント率や逃走のあたりのバランスがもう少し良かったらなと。


ラスト、その他の要素に関して。
各キャラは、町や村、はたまたフィールドにいる人に対して使用できる「フィールドコマンド」というものを持っています。
所かまわず勝負を挑んだり、その人の持ち物を盗んだり買取ったり、情報を聞き出したり連れ回したりなど。
サブストーリーではこれらを行わないとクリアできないものも多く、誰に対してどの主人公のフィールドコマンドを使うのかと考えるのは楽しいです。
そうでなくとも、情報を聞き出せばモブキャラそれぞれに違った生活があることがわかったり、すごく便利なアイテムを持っていたりするので、すべての人物にあらゆるフィールドコマンドを試してみたくなります。
ただし、フィールドコマンドを使えるのはパーティに入っているキャラのみ。
フィールドコマンドのためにパーティをこまめに入れ替えるのが面倒くさかったです。
ついでに最初に選んだ主人公をパーティから外せないのもここではデメリット。
もし使用頻度が低いフィールドコマンドの持ち主を最初の主人公として選んでいたら…と;;

続いて、一つ一つのフィールドは、広くはありません。
町や村から別の町や村へと移動するのは、結構スムーズに行けます。
基本的に、別のキャラや次の章のメインストーリーのある町を訪れる以外でフィールド移動することがないのも良い。
サブストーリーでは別の町や村を訪れることもあり、ワールドマップ全体は広めなのですごく遠い場合もありますが、一度訪れた町や村には「ファストトラベル」機能で即座に移動できます。
なので移動の面倒さはまったくなく、むしろ快適でした。

他の良かった点としては、すごく細かいですが、店での売却時に換金アイテムが優先して上から順に陳列されます。
売る以外に用途のないアイテムを簡単に処理できるので、これはすごくありがたかった。

気になった点も一つだけ。
ドット絵2D表示のようなグラフィックで視点移動ができないことをうまく利用し、見づらい場所に宝箱があったり、ちょっとした隠し道や裏道があったりします。
すごく見つけづらい裏道や宝箱もあったので、これは好き嫌いが分かれるところかなと。
せめて数がもう少し少なかったら良かったのですが、すべて合わせるとかなりの数でした(おそらく見逃しているものもあるでしょうから、すべて合わせると本当にどれほどの数になるか)。



ここからは感想。
10点満点で点数を付けるなら7。
(評価点ではなく感想点。目安として、8~10 完全にハマった、5~7 かなり楽しんだ、2~4 概ね楽しんだ、1 自分には合わなかった、0 面白くなかった、です。面白くなかった方向へも5段階ほどあり、実質-5~10点間で付けた点数とお考えください。)

主人公8人のメインストーリーが8人ともよくできていたのがすごく良かったです。
一つ一つの話は短かれど、どれも楽しむことができました。

ワールドマップが埋まった頃には、本当にいろんな旅をしてきたなと感慨深かった。
自分自身も旅をしてきたという気分になり、確実にロールプレイングしていたんだなと。

サブストーリー一つ一つにしっかりと内容があったのも良いですね。
メインストーリーの内容を補完してくれたり、固有キャラたちの兼ね合いを楽しめたり。
クリア後にちゃんとした謎解きがあったのもありがたいです。
…すべてをクリアするのは正直大変でしたが;;笑


戦闘は、ボス戦はすごく楽しめました。
ボスごとにいろんな行動をしてきて、レベルや装備で単純な実力はかなり優勢であったとしても、特別な対策を講じないと帳消しにされるどころかむしろ劣勢になることもある。
すごく歯応えのある戦いばかりでした。

ただ、雑魚戦関連のバランスがもう少し良かったらなと思います。
雑魚戦で逃げ回って自己調整しなければ、ボス戦もすべて楽勝すぎる事態に陥っていたかもしれないので;;


モブキャラ一人一人にも様々な設定があったのは素晴らしい。
フィールドコマンドで情報を聞き出し、その人の考えていることや生活を覗き見たり、善人からアイテムを盗みまくったりと、ゲームならではの面白さが盛り沢山です。
サブストーリーとは関係なくとも、すべての人物にすべてのフィールドコマンドを使用したくなりました(実際にやりました笑)。


メインストーリーだけをサクッとプレイする場合でも、8人全員ともなるとプレイ時間は30時間以上はあるかと。
サブストーリーもすべてやり込む場合、すべて自力なら100時間は優に超えるでしょう。

いろんな物語を少しずつつまみたい人にもお勧めできますが、どっぷりとハマって長時間プレイできるゲームをやりたい人にはもっとお勧めできます。
気になっている方は、そうそう後悔しないと思うので、ぜひプレイしてみてください。


OCTOPATH TRAVELER Original Soundtrack
西木康智
スクウェア・エニックス
2018-07-13

松山勝弘(まつやままさひろ)