PS4ソフト「二ノ国II レヴァナントキングダム」をクリアしての評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主観的に。


まずは評価から。
ジャンルはアクションRPGです。

シナリオは独立しているため前作のプレイは必須ではなし(前作プレイ済みの方にだけわかるちょっとした要素などもあるようですが)。
二ノ国という世界で、少年が偉大な王となり巨悪を討つまでの建国譚。
ジブリのような絵の雰囲気や世界観で、主人公の王としての成長がよく描かれている物語でした。
ですが、この点以外で褒めるところが少ないシナリオ内容です。

まず、都合よく展開する部分が少なくない点。
例えば、二ノ国の戦争や争いの歴史…などと言う割には、根っから悪い他国や王が全然いなくて簡単に平和的な約定を結べたりします。
本作の優しめの世界観を考えると、これくらいの展開はボリュームも増えすぎずちょうど良いかもしれませんが、それならせめて戦争の歴史などと言った前振りはない方が良かったかなと。

同じように、セリフや説明がおかしいせいで納得できないという部分も多々あります。
あるキャラが今の状況を簡単に受け入れすぎていたり(納得のいく理由がエンディングまでに語られるかもと思いましたがそれもなし)。
主人公にとっては重要なキャラでも民たちはその人物のことを知らない、なのに民たちに語りかけるときにその人物の名をろくな説明なしに挙げて、普通ならぽかんとかきょとんとしそうなものを何故か奮起して士気が上がる民たち。
他にも、言葉が足りていなかったり違う言い方をすべき部分が結構ありました。
セリフ回しの問題で、場面に合わないセリフが使われているだけでなく、単純に読みづらい(聞きづらい・理解しづらい)ところもありますし。

後は、個々のキャラについてあまり詳しくは語られない。
大抵最低限は語られているので特に不都合があるわけではないのですが、その部分もっと詳しく教えてと思うことがよくありました。
少なくとも愛着は湧きづらいように思います。


戦闘は、システムや操作はすごく面白いです。
操作性がよく戦いやすいほか、フニャという珍妙な生き物の存在も良いですね。
主人公たちとは別枠でフニャのメンバー編成をし、普段は勝手に攻撃や補助をしてくれる。
戦闘中にフニャたちから合図が出たら近付いて○ボタンで発動する号令スキル(強力な攻撃や回復、支援など)というものもなかなか便利で、どのフニャと一緒に戦うか考えるのも楽しいです。

ただ、フニャの号令スキルのことがあるからか、戦闘のスピード感があまりありません。
スピード感がありすぎるとフニャの合図に気付きにくかったりするでしょうから、この戦闘システムには合っていますが、動き回ったりガンガン敵を倒しまくるような爽快さを味わいたい方にとっては物足りないでしょう。

戦闘で他に気になるのは、敵の種類の少なさ。
同じ見た目の色違いも多く、動きや攻撃のパターンもほとんど同じです。
種類が完全に違っても似たような攻撃は多々ありました。
戦闘難易度は並~少し歯応えがある程度ですが、敵の攻撃パターンが多くないため、終盤になるに連れ敵が強くなる=単純に敵の火力が上がっているのみがほとんどなのは残念。
ボス戦に限っては初見の攻撃などもよく出てきたので、深刻な問題とまではなっていませんが。


通常のアクション戦闘のほか、進軍バトルというシミュレーション戦闘があります。
主人公が最大4つの部隊を連れて戦場に出向き、敵を倒していく。
キャラはすべて二頭身で、4つの部隊は常に主人公の周囲におり、主人公の移動に合わせて付いてくる。
味方部隊を敵部隊やモンスターに近付けたら、お互いに勝手に攻撃し合う。
敵を全滅させるなどの勝利条件を満たすまで戦う、というものです。

戦術(スキル)を駆使したり、敵の矢倉や拠点を潰したりなど考えることもちょこっとあり単純すぎず、本編の息抜きにはなかなか面白い。
でもシナリオ進行に必須の進軍バトルも何度かあって、やりたくなくともやらなければなりません。
特に終盤の進軍バトルは、部隊のレベル上げをしたり、シナリオ中に必ず仲間になる部隊以外の新たな部隊を仲間にするなどしないとクリアできない。
適度に寄り道したりやり込みながらシナリオを進めている方にとってはレベル上げなどは不要ですが、シナリオだけをぱぱっとクリアしてしまいたい方にとっては面倒です。

後は、一戦がそれほど短くないのも考えもの。
特に不要だったのはフィールドがやや広いこと。
ワールドマップのフィールドをそのまま使っているというのは面白いですが、単純な広さのほか地形の問題などで移動が面倒な場所もあります。


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王となり建国をした後、キングダムモードというもので、空き地に新たな施設を建設するなどして王国を発展させていくことができます。
施設には冒険に役立つものがあり、例えば武器屋や防具屋、魔法の習得および強化に関する施設や、フニャの生成および成長に関する施設など。
建てた施設に人材(技能を持った国民)を配置すると、研究ができるようになったり、施設によっては勝手に素材アイテムを集めて来てくれる。
研究は、例えば武器屋で新たな武器開発の研究をすると、店に並ぶ商品数を増やすなどができます。
武器の生成に必要な金額を下げたり、生成時の初期品質がプラスされるなどといった効果をもたらすことも可能。

キングダムモードで王国を大きくしていくのはすごく楽しいです。
王国ランクが上がると見た目にも大きな変化が出て来て、少しずつ成長していくのが感慨深い。
進軍バトルと同じくシナリオ進行上必ず建てる必要がある施設などもありますが、こちらはすぐに終わるので、やりたくない方はほとんど何もやらなくて良いのもありがたいですね。

少しだけ気になったのは、王国が大きくなるに連れて、城下町が広くなりすぎて移動が面倒になってきたことくらいです。
一応、キングダムモードで各施設を選択した後にOPTIONボタンを押せばその施設に直接移動できる、というショートカットもありますが、わざわざキングダムモードの画面を開かないといけないので。


その他。
サブクエストは、一つ一つ内容があって面白いです。

キングダムモードの人材をスカウトできるサブクエストもあって、やりがいもやり応えもありました。

気になるのはフィールドの移動の遅さ。
上記のキングダムモードで、ある施設で研究をすれば移動速度を上げられますが、これでようやく「遅くはない」程度の移動速度でした。
この速度がデフォルトで、研究後はもっと速くなっても良かったのではないかと。
(終盤の乗り物ではすごく速く移動できますが、少しの距離ならいちいち乗り物に乗り降りするのが面倒なので、通常の移動速度ももう少し速さが欲しかった。)



ここからは感想。
10点満点で点数を付けるなら5。
(人を選ぶと感じたゲームのうち自分には合わなかったゲームは1、普通に面白くないゲームには0を付けます。面白くない方向にも5段階くらいあるので、実質-5~10点の間で付けた点数だとお考えください。)

総合的にはなかなか良かったのですが、やはりシナリオが…。
敵の種類の少なさなどは許容できても、シナリオのお粗末さは無視できなかった。
せめて各キャラの声出しがうまい人だったり、イベントムービーなどの演出で盛り上げてくれていたら…。

雰囲気や世界観がツボにハマっていたらもう少し楽しめたと思いますが、個人的にはツボではありませんでしたし。
むしろ進軍バトルやキングダムモードなど、その他の要素の方が楽しめています。

迷っている方は、予め公式サイトなどで雰囲気や世界観をチェックしてみてください。
自分に合いそうと思った方なら購入をお勧めできます。


松山勝弘(まつやままさひろ)