3DSソフト「ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー」の全要素をクリアしてみての評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主観的に。

DS版は未プレイです。


まずは評価から。

ジャンル・RPG。
時渡りの術を授けられた主人公が世界を滅びから救うために奮闘する時間もののシナリオ。
何度も訪れる重要な局面における選択肢によって物語が分岐し、誤った選択をしたことにより世界が滅びるたびに過去に戻る。
正しい選択を模索しながら少しずつ世界を正しい方向へ導いていくという流れです。

プレイヤーは、物語が分岐する選択肢のある場所など特定の時間ポイントに、ほぼいつでも飛ぶことができます。
飛べるポイントは適度な間隔で存在するため、ちょっとした用事のために別のポイントに飛びたいときも気軽に飛べる(元のポイントに戻ってくるのが楽という意)。
また、飛びたいポイントを探すときにカーソルを高速で動かせたり、一度見たイベントはスキップできるなど、ストレスなしに効率よくプレイできるシステムでした。
それでも物語終盤になってくると飛べるポイントが多くなるため飛びたいポイントを探すのが手間になってきますが、これ以上を要求するのは酷だろうという程度にはストレスフリーな仕様です。

シナリオ内容も非常によくできていました。
大まかな内容はファンタジーの王道のものですが、細部まで綿密に練り込まれているのがわかります。
物語は、序盤のある重大な選択肢によって、大きくは「正伝」「異伝」の2つのルートに沿って進む。
Aの選択をした場合は正伝、Bの選択をした場合は異伝、といった具合です。
違う選択をしたことでこれら別々の世界が生まれたわけですが、両者はまったく違う世界のようでも緻密に絡み合っていきます。
単純なところでは、正伝で入手したアイテムや特技がないと異伝の特定の場所に入れない、など。
物語を進行する(世界を救う)ためにはそれぞれの世界や様々な時間に行き来しながら試行錯誤を繰り返さないといけません。
これら世界同士の繋がりが上手かったのが一つ。

それと、時間もの特有の矛盾や疑問がほとんどなかった点が一つです。
時間もの特有のそれとは例えば、AからBに時間移動したとき、元々Bにいたはずの自分自身はどこに行ったんだ?といったもののこと。
(Bにも自分がいて同じ人物が2人同時に同じ世界にいるというパターンのものもありますが、本作では自分は常に1人のみです。)
ファンタジー世界ならではの理屈も少なくはありませんが、世界構造がよくできています。
あの時のセリフはこういうことだったのかといった考察のし甲斐もありました。


シナリオ進行とは直接関係のない様々な依頼。
それぞれの世界や様々な時間・場所に飛ばないとクリアできないものが多くありました。
通常のシナリオ進行分も含めて、どのポイントに飛べば良いのか考えるのは楽しい要素でもありますが面倒に感じる人も少なからずいるでしょう。
ですが、これらの依頼はシナリオ進行には直接関係はありませんが、シナリオ内容には程よく関わってきます。
手間をかけて依頼を達成したことで、世界を救うとまではいかなくともより良い方向に持っていける。
ある瞬間には、かけた手間を大きく上回る感動を覚えたくらいです。
このように、面倒なはずの依頼も率先して達成したいと思える工夫が施されていました。

「正伝」「異伝」の他に、「亜伝」というものがあります。
正伝や異伝からの分岐ではそうそうたどり着けないような、各キャラなどの立場や役回りが大きく異なる、すなわち可能性の世界。
その様々な可能性世界に入ることができるのが亜伝です。
本来ではそうそうあり得ない状況下を楽しめるものという認識も正しいですが、それだけではありません。
亜伝もが正伝や異伝に密接に関わっており、この間の世界同士の絡み合いも、前述のそれに匹敵するほどによくできた繋がりでした。

こんな具合に、依頼や亜伝など本筋の物語とは一見関りのなさそうなものまで楽しめる、遊び尽くしたくなる出来です。


(↑画像クリックでAmazonのレビューも確認できます)

戦闘は、速度の高いキャラから行動順が回ってくるターン制。
味方キャラの行動順が連続していて、かつ同じ敵を攻撃した場合はコンボが発生します。
味方は横並びに3人まで、敵は3×3マスに多ければ6体ほど同時に出現することがある。
1体で2マスや4マスを使う中型や9マスすべてを占拠する大型モンスターもあり。
敵を左右や前後に飛ばすスキルが存在し、元から敵のいる場所に別の敵を飛ばすと、コンボが続いている限りまとめて攻撃できる。
味方の順番で攻撃やアイテム使用などをせずに、他の味方や敵と行動順を入れ替える「チェンジ」を使えば、味方キャラの順を最高で10回連続させられ、コンボが狙いやすい。
ただ、チェンジをすると、攻撃やアイテム使用をしないと解除されない「バロック」という状態になり、バロック中は被ダメージが増える。
その他、敵が後ろにいるほど敵からの被ダメージが下がる。
戦闘システムはこんな感じです。

コンボ数が多いほど取得経験値などが上がるためコンボを狙いたくなる。
でもむやみにコンボを狙うと、MP消費がかさんだり隙を作ってしまう。
まとめて一気に倒したい場合も敵の配置が都合の悪い配置だったりすることも。
といった具合に、なかなか戦略性は高いです。
オプションで難易度を上げれば、さらに歯応えのある戦闘も楽しめます。

戦闘での難点は、やや遅いモーションがいちいち入るため、一回一回の戦闘がそれほど短くならない点。
特に高難易度では普段から雑魚戦もあまり無視できないほどに経験値を溜めないと辛いため、余計な時間がかかってしまいます。
オプションでモーションを消せたり、倍速に早送りできる仕様があれば良かったのになと、少し残念です。


後は、フィールド移動に関して。
マップの切り替えはそこそこありますが、ロードも短く基本的には快適です。
ただ、フィールド上のギミックを動かさないといけない場面が多々あるのですが、そのギミックとの距離や主人公の向きなどがややシビア。
面倒すぎるというほどではありませんが、若干うっとうしく感じるときがあります。



ここからは感想。
10点満点で点数を付けるなら9。
(人を選ぶと感じたゲームのうち自分には合わなかったゲームは1、普通に面白くないゲームには0を付けます。面白くない方向にも5段階くらいあるので、実質-5~10点の間で付けた点数だとお考えください。)

よく練られたシナリオにどっぷりとハマってしまいました。
どのポイントに時間移動すれば良いのかを考えるのも楽しかったですし、依頼や亜伝が物語の本筋と繋がったときは感動モノでした!

10を出せなかった理由は、戦闘テンポの悪さの一点のみ。
前述した通り、早送りやモーションの飛ばしができれば良かった。
もしくは時間移動システムが極限までストレスフリーになっていたら(戦闘テンポのマイナス分を補えたら)、間違いなく10を出せる作品です。
それだけ、シナリオの濃さなどがドンピシャにハマりました。

シナリオ重視の方には特にプレイしてほしい一作です。
ぜひとも全要素をやり込んでみてください!
DS版をプレイした方にも、亜伝の完全クリアはお勧めできます。
亜伝が正伝や異伝にどう関わっていくのかを楽しんでほしいです。


松山勝弘(まつやままさひろ)