Nintendo Switchソフト「ARMS」の、総プレイ時間10時間ほどでの取り急ぎの評価と感想です。
評価はより客観的に、感想はより主観的に。


まずは評価から。
ジャンルは格闘。

コマンド入力による技出しなどはなく、必要なのは単純操作(ワンボタン、またはワンアクション)のみ。
全キャラ標準でできることは、右パンチ、左パンチ、投げる、ジャンプ、ダッシュ、ガード、必殺、溜める(パンチ強化)とこれくらいです。
Joy-Conを本体から外しての操作(いいね持ち)でも、Joy-Conをグリップに取り付けたりProコンを使用する場合でも、Joy-Conを本体に取り付けたままの携帯モードでも、どの操作方法でも誰でも簡単に基本操作を身に付けることができる作りでした。
この点は、老若男女誰でも楽しめるゲーム作りを謳う任天堂ならではのソフトだなと素直に思いました。

ただ、しっかりと格闘ゲームであることを理解していないと痛い目を見ます。
CPU相手で何も考えずの楽しみながらでも簡単に勝てるのは、一番下の難易度と下から2つ目の難易度くらい。
最高難易度まではまだ7段階ほど残っていますが、ここから先は他の格闘ゲームよろしく、敵ができることや自身ができることを把握しつつ敵の動きをしっかりと見ないといけません。
何度もリベンジすれば運で真ん中の難易度くらいまではどうにかなるもそれ以上は無理。
元々格闘ゲームが苦手な方が本作を購入した場合、ここで嫌気がさすように思います。


キャラ数は全部で10人(隠しキャラの有無は不明)。
各キャラごとの特徴があります。
2段ジャンプができるキャラや、ジャンプ中にダッシュボタンでワープができるキャラ、犬も一緒に戦ってくれるキャラ(犬操作はできませんが実質3本の腕持ち)など。
速さや火力などの基本ステータスの違い以外にも特殊能力の違いがあるのは面白いです。
面白い代わりに、この違いがある分余計に難易度は上がりますが。

そして、本作の最も重要な要素である「伸びる腕」。
この「アーム」というパーツも計30種あります(公式サイトを見た感じではシークレットを含め30種より多いかも)。
パワーやスピード、曲げやすさ、手数、特殊能力などの違いがあり、左右の腕にそれぞれ別のアームをセットすることも可能。
どんな戦い方がしたいかやキャラに合ったものにしようかと、組み合わせを考えるのはすごく楽しい要素の一つです。
代わりに、30種もあるとアームごとの特徴を覚えるのも大変なので、敵のアームがどんなものなのかを把握するのにも一苦労要ります。

誰でもできるという操作性以外は、総じて格闘ゲーマー向けの作品と言えそうです。


すぐ隣にいる人物との対人戦やネット対戦のほか、自由にルールを決めて気軽に対戦を行えるものと、最も基本的な「グランプリ」というモードがあります。
グランプリはCPUと10連戦ほど対戦するもので、ランダムに対戦相手とステージが決まる。
3戦中2勝先取で勝利し、次の相手へ挑めます。
バスケやバレー、的当てなどのミニゲームのようなステージが間に挟まることもあり、これらは1戦のみで勝敗が決まりました。
負けてもその場でリトライでき、最終戦まで終えずとも途中でセーブして終了することも可能。
難易度ごとのCPUの強さ以外は易しい仕様ですね。


(↑画像クリックでAmazonのレビューも確認できます)

最も残念な点は、各種アーム入手の面倒さです。
グランプリなどでゲーム内のお金を貯めて、一定額以上でアーム入手のためのミニゲームに挑戦することができる。
ミニゲームは制限時間によって必要額が変わり、最も額の少ないものだとせいぜい2個くらいしかアームを入手できません。
でも、グランプリ1周あたりで貯まるお金が、その最も短い時間のチャレンジ額くらいなんです。

最初は1人あたり3種ずつしかアームがないので、残りの27種×10人分のアームを集め終えるのはいつになることやら…。
しかも、このミニゲームでは新アーム入手のほか、アーム強化まであるとのこと!(ぼくはまだ新アーム入手しか発生していませんが、公式サイトにアーム強化に関する情報がちらっと書かれています。)
アーム入手に強化まで含めると、終わりが全然見えてきません。


後は、Joy-Conいいね持ちでのプレイだと疲れるのが早いということも。
既に多くの方がいろんなところでおっしゃっていますが一応。
多少無理すれば3~5時間とぶっ通しでのプレイもできますが、疲労している分、単純に操作が下手になるので効率が悪いです。



ここからは感想。
10点満点で点数を付けるなら2。
(人を選ぶと感じたゲームのうち自分には合わなかったゲームは1、普通に面白くないゲームには0を付けます。面白くない方向にも5段階くらいあるので、実質-5~10点の間で付けた点数だとお考えください。)

ゲームシステムはすごく面白いんですけど、それを他の要素が殺している。
アーム収集の面倒さもありますし、すぐに飽きる人が続出する気がします。

対戦モードや難易度、ステージなどをもう少し、本格格闘ゲーム寄りではなく、友達みんなで集まってわいわい寄りにしていればもっと面白そうだったのになあと。


ただ、いろんなところでレビューや感想などを漁ってみると好評価が多いようなので、今回はぼくの好みが外れ値だっただけかもしれませんね。
格闘ゲームなどは操作が慣れてきた頃が一番面白いので、そのせいかもしれませんし。

ひとまず、毎日少しずつ暇つぶしにプレイするだけならしばらく楽しめるゲームでしょう。
が、格闘ゲーマー以外で、毎日がっつりプレイしたいという方には向かないかと。


松山勝弘(まつやままさひろ)