初頭効果」とは。

物事の一番初めのことが記憶に残りやすい現象を言います。


終末効果」とは(「親近効果」と言うことも)。

物事の一番最後のことが記憶に残りやすい現象を言います。



しばしばこれらは対義語のように解釈されます。
が、別に反対の意味と言うわけではありません。

どちらも同時に成り立つことが可能だからです。



例えばドラクエVをやったことがある人。
初めの方がどんな感じかと聞かれたら思い出せますよね?

最初は船の中からスタートするだとか、
外に飛び出してスライムとの戦闘が開始するだとか、
覚えてますよね。

逆に最後はどうだったかと聞かれたらどうですか?
ミルドラース戦かエスターク戦が思い浮かびそうですね。

間はチグハグでしょう。
覚えているところと覚えていないところと。


他のも何でも良いんですけど、最初と最後はよく覚えているが間はチグハグというのがほとんどでしょう。
この通り、初頭効果と終末効果は同時に成り立つことが多い。



しばしば「どちらの方が効果が高いか」なんて議論がありますが…。
ぼくにしてみりゃ使えるならどちらも使えば良いというのが正直なところですね。

一応、大きな違いはあります。
「初頭効果」は長期記憶に強く、「終末効果」は短期記憶に強いということです。

先のドラクエVの例だと。
つい最近クリアしたばかりという人は除いて。
船の中から始まることやスライムとの戦闘などはよく覚えているのに「ラスボスってミルドラースだっけ?デスタムーアだっけ?」などとなった人、いますよね?

学校の授業などではシメの言葉は覚えていなくても、授業の最初の小話や、学年最初の授業での教員の自己紹介などはよく覚えていたりします。

初頭効果も終末効果もあくまでも記憶に残り「やすい」というだけなので、まったく覚えていなかったりシメの方をよく覚えていたりという現象は十分に起こり得ます。
それだけインパクトが濃い内容だったり薄い話だったりというその他の要素にもよく影響されますし。



とは言え、長期記憶か短期記憶どちらに効きやすいかで考えると、どちらかしか使えないときなどは使う目的によってどちらが良いかは変わります。

例えば「合コン」。
明らかに短期記憶の勝負ですよね。
(その場での勝負に勝ちさえすればデートしたりと次のチャンスがあるので長期記憶は後からどうにでもなりますよね。)
その場での印象が第一です。

そこで「終末効果」の出番。
異性集団と対面に座っているとして、異性から見て一番右の位置に座りましょう。

人は左から順に見る傾向があるからです。
文字がそうだからでしょうね。
したがって、相手から見て一番右に座るのが終末効果を発揮できる位置だというわけです。


こういった感じで「長期記憶」に残したいのか「短期記憶」に残したいのかで使い分けてください。
もちろん、どちらも使える状況ならどちらも使えば良いし、最初からどちらかしか使えない(どちらを使うか選択できない)状況もあります。

相手に何らかの印象を残したいとき、短期か長期かどちらが良いかを見極めて利用してください。





松山勝弘(まつやままさひろ)