「ゲームは子どもの遊びだ」と言う人がいます。
ゲームをしている人を見ると「早く大人になれよ」と。

「いやむしろ今やゲームは大人の遊びだ」という人もいますが。
大人の遊びにせよ子どもの遊びにせよ。
「ゲームは遊ぶためのもの」と考えるのは早計です。
ましてやゲームをしてもいない人は確実に世の流れから孤立していきます



ゲームには世の流れの様々なものが反映されている、
このわかりやすい例はやはり単純な「流行」でしょう。

例えばゲーム内に登場するキャラクターです。
髪形や服装、しゃべり方、使う言葉や単語、顔立ち(メイク)……。
恋愛ものなどはキャラ設定もそうですね。

流行のものをそのままゲームにすることも多い。
アニメや漫画、歴史、ゆるキャラ、脳トレ、アーケード(アイカツやドラゴンボールヒーローズ)、映画にドラマ……。
流行ったゲームを他のゲームでコラボに使うというパターンもあります(モンハンのキャラを3DSゲームの「太鼓の達人」内に登場させたり)。

知識や情報も常に新しいものが入ってくるのです。



が、もちろんそれだけの話ではありません。
世の中からITを切り離せなくなった、という面から考えてみます。
世の流れはITの流れとかなり密接なところにあります。


ITはもう終わった。これ以上はない。
こう考えている人がいます。

でも、携帯電話はもうこれ以上進化し得ないというところでスマホが出てきたでしょう?
自動車はあとはデザインか燃費の向上くらいだというところで自動運転が取りざたされていますよね?

ITにはまだまだ先があります。
未だ開発されていない技術が次々に開発されていく、という可能性も高いです。
今ある技術でも作れるのにまだ誰も思いついていない(作っていない)というのもたくさんあるでしょう。


そんなものが今後どんどん世の中に出てくるんですよ。
さあみなさん。これらすべて使いこなせそうですか?
(一般家庭に普及しない工場機械などは置いといて。)



機械音痴という言葉があります。
機械を扱うのが苦手な人のことを指しますよね。
ではパソコンで考えてみたらどうですか?
高齢者には使えない方が今も多いですけど、若い世代で使えない人はほとんどいないでしょう。


理由は二つ。簡単です。
「使い慣れたから」と「脳機能がまだ衰えていないから」です。

若い世代でも目の前にパソコンをほいと置かれていきなり使いこなせたわけじゃない。
明らかに使い慣れたから使えるわけですよね。
高齢者でもパソコン教室に通ったり仕事で使わざるを得なかった人とかは普通に使えていますし。
脳機能の問題も、「若いうちだと使い慣れるのが早い」というだけの話です。

機械音痴は確実に存在します。
ですが「困らない程度に使えるかどうか」に限定すれば、その差はこんなもんです。


とは言え、今の日本語がギリギリ通じる昔の世界(江戸時代くらい?歴史弱いので適当ですすみません)の人に
いきなり2015年現在の最新パソコンを渡したらどうでしょう。

もちろん使い方は丁寧に教えます。
ですがそれでも現代に生きる人より使い慣れるのが遅いでしょう。
それは、「似た機能のものを使ったことがないから」です。

現代人なら「テレビのリモコン操作をしたことがある」というだけでも有利ではないかと。
まずは「電源」という概念から説明しなくてはいけないのですから。



何か新しいITものが家庭に現れたとき。
それをすぐに使えるかどうかは「より近いものを使い慣れているかどうか」です。
そしてここに一番当てはまるのが「ゲーム」なんです。


ゲームには一般向けの最新ITが常に反映されています。

家庭用ゲーム機では反映されるのは「ハード」の方。
その反映されたハードで何ができるのかをわかりやすく教えてくれる取扱説明書が各個の「ソフト」です。

これだと新しいハードが出なければ反映されないじゃないかと思われるでしょうが、アーケードやスマホも然りです。
アーケードはやらない人も多いのでスマホで考えますが。
スマホは1年間でも数十種類の最新機種が登場しています。
充分に「常に」「最新の」ITが反映されていると言えるでしょう。

これを使ったスマホゲームが最新ITでできることを教えてくれる取扱説明書です。
わかりやすくするため少し古い例ですが、カメラ機能や位置情報機能、タッチポイントを読み取る機能やスマホ自体を傾けたときの傾斜読み取り機能などを駆使したゲームが流行りましたよね。
(流行りだけで言うと、今もこれらの機能を駆使したゲームで流行っているものはいくつもありますが。)



これは、ゲームをする人は常に今の世の中ではどういったものが作れてどういうことができるのかということを知ることができるということです。
さらに、ゲームをする人はゲーム以外の何かしら最新のITものが家庭に現れてもそれをすぐに使いこなすことができるでしょう。

つまりは世の流れに取り残されない。
世の流れに密接についていくことができるのです。



ゲームの他と比べて優れている点は、取扱説明書の数がとても多いということです。
豊富なジャンルやパターンで様々なことを隅々までカバーしている。
同じことでもいろんな角度からいろんな方法で教えてくれます。

そして何より良いところは、ゲームは誰しもが楽しめるという点です。



ぼくには、ゲームを馬鹿にしている人たちが将来「もう歳だから今の機械にゃようついていけん」と呟いている姿が目に浮かびます。





松山勝弘(まつやままさひろ)